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せっかく住宅商品を開発しても売れない理由(お客様にはピンとこないワケ)

 

お客様と住宅営業マンとの会話

◇ 営業マン

「わが社の家は、〇〇工法というとても地震に強い工法を採用していまして、特徴は、柱に△△県産のこのような太い材木を使用します。そして、梁には・・・・・」 

 

◇ お客様 「はぁ、そんなんですか・・・」

 

◇ 営業マン

「あと、断熱材も××というものを使用していて、夏涼しくて、冬は暖かいんですよ。」

 

◇ お客様 「へぇ~・・・・」

 

実は家づくりをしているお客様の心の中は、「またか・・・」という感じです。

それもそのはずで、どの住宅会社のモデルハウスや見学会に参加しても営業マンからの説明は、自社の優位点ばかり。

 

お客様があなたの家に“ピン!”と来ていない以上、いくらお客様に説明しても意味がありませんよね。私の経験上からその理由をお話ししたいと思います。

 

ピンとこない理由:流行り(ブーム)が来ていない

住宅業界を長年やっていると本当に不思議に思うのが、この流行りです。

家は、そこに何十年も住むのだから、流行りの家を買ってもしょうがない。という持論があります。

 

その一方で、そもそも多くのお客様は、

「自分が欲しい家がどんな家なのかをはっきりとわかっていない。」

だから、雑誌なんかで特集されている家を見て、これがいいと。自分の好みを合わせしまう方も多くいます。その結果、流行りができ、そうした家が売れてしまう。

これも理解しているつもりです。

 

 

「ブルックリンスタイル」「カフェ(雑貨屋)風」「シンプルモダン」などの住宅テイストの流行りがあります。過去には、南欧風などの家も流行りました。

また、「オープンキッチン」や「リビング階段」などの間取りに対する流行りもあります。

こうした見た目とは別に、高気密高断熱住宅や地産地消の家などの素材や工法に対する流行りも過去にありました。今はZEHなどがありますが、これは国が主導しているので、ちょっと流行りの意味が違うかもしれません。

 

特にいい家が欲しいなどの書籍が売れた外断熱ブームもありました。その頃には、家づくりをしている旦那さんが少ない建築知識でも調べまくるという「断熱マニア」がよく見学会に出没していました。

 

 

残念ながら、今は家のテイスト等の見た目の流行りが主流で、工法や素材の流行りがありません。

 

ピンとこない理由:人々が関心する事件(出来事)が起こらない

不謹慎な言い方になることを恐れずに言いますと、

平和な時に戦争の話を聞いてもピンとこないように、世の中で大きな出来事や事件が起こらない限り、人の意識や関心がそこにいきません。ただし、世の中で大きな出来事や事件が起き、それが自分の関心毎に影響するとなると、いっぺんに不安や恐怖になります。

 

 

阪神淡路大震災が起きた当時は、家づくりをしている人々の関心毎は、「地震に強い家」でした。そして、2×4の住宅が地震に強いという情報をハウスメーカーが流し、2×4住宅ブームが起こりました。

 

また、耐震偽装や欠陥住宅などの事件が起こると、家づくりをしている人は不安に思います。そして、関心も住宅の性能や業者選びに意識が向きます。

 

私が工務店時代、たまにワイドショーなどで欠陥住宅特集をしていると、アドバイザーからの偏った意見に憤慨する半面、お客様の意識が家の品質に向いてくれることに嬉しく思っていました。

 

 

ピンとこない理由:建築がわからない

家の構造自体がわかっていないお客様に、柱や断熱材などの事を伝えてもわかりづらいのも当然です。我々が車のディーラーで自動車のエンジンのすごさとかボディの強さを聞いてもさっぱりわからないのと同じです。

 

「もっと、家の隠れて見えなくなってしまう部分にも興味を持って!」

と思いますが、そもそも建築知識がないので、どんな説明を聞いても腹に納まるような納得感を得られません。

 

しかも、色んな住宅会社に行くたびに、それぞれの営業マンが同じようにその会社のいい事を言っています。その違いなんて、素人のお客様が理解できる訳がありません。

 

 

ピンとこない理由:当たり前と思っている

工法や素材に流行り(ブーム)がなく、品質を疑問視するような大きな事件や出来事が起きなかったら、家づくりをしている人は、耐久性や耐震性、そして断熱性などの意識が低くなります。

 

こうした状況下に加えて、

日本の工業化製品の品質の良さに慣れ親しみ、

made in Japan.に誇りに思っている我々日本人。

 

そんな中、家づくりをするため建築知識も乏しいのに、色んな住宅会社に行き、営業マンからいい事だけを言われる。ネットを見てもどこの住宅メーカーのHPも良さそうな情報しかない。

 

その結果多くのお客様は、

 

「極端に安かったり、怪しい業者じゃなければ、まず大丈夫じゃないか。」とか

「家の性能の違いは、多少あるかもしれないが、どこに頼んでも強くてあたたかい家。」と結論づけます。

 

 

「家が強くてあたたかいのは当たり前」

 

そう思っている人に、家の強さやあたたかさを伝えようとしても普通のやり方では、ピンとくるわけがありません。

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