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お客様の前でやってしまった失敗(クレーム対応)

 

私どもの業界はクレーム産業と言われています。

 

形のないものから計画し、ゼロから造りあげるので、完成した家がお客様と相違がでることは多くあります。図面と実際の家が違ったり、品番が間違っていたら(発注や納品ミスなどで)問題がはっきりとしているので、対処はつきやすいですが、施工品質などは、私たちプロ間であっても判断が難しい場合もあります。

 

私が工務店時代に犯してしまった最大のクレーム対応をお話しします。

 

それは、ある一本のお施主様の電話から始まりました。お引き渡し間近のお施主様で、最初は普通に担当者と話をしていました。

 

それが突然、電話口のお施主様の声が周囲にいた私どもにも聞こえるようなものすごい大きな怒り声になりました。

お施主様の怒りの状態は、担当者が喋る度にどんどんヒートアップしていいきました。それが10分以上続き、尋常ではないと思い責任者の私に変わった後も、怒りはどんどんヒートアップしてしまいました。

 

 

怒りのきっかけは、担当者の普段からの話の癖で、話の最後に「あはは。」とか「ふふ。」と含み笑いをすることがあり、これが電話中に出てしまい、相手の気に障ってしまいました。

電話を代わった私もやらかしました。お施主様の怒り心頭中の話しに耐えられず、途中でさえぎって話してしまったり、言い訳をしてしまい、それがお施主様の怒りに輪をかけてしまいました。

 

クレームの内容は、小屋裏収納につける収納式はしごについてでした。

 

担当者が書いた図面ではパナソニックの品番だったのですが、実際につけられたのはウッドワンの製品でした。

 

正直、私どもでは、2つとも似たようなものとして軽く考えていました。もちろんはしごを付ける位置や木製かスチール製か、そして収納式か解放式か?などはカタログを見せて、決めていきますが、品番までは細かく打ち合わせをしていませんでした。私どもの心の中には、

 

「収納式はしごなんてパナソニックもウッドワンも似たようなもんだろ。見た目も変わらないしどちらの製品を使っても問題ないよな。それに打ち合わせ中もお施主様はそんなにこだわっていなかったよな。」

 

との思いを持って担当者も私もお施主様に対応してしまったために、相手の逆鱗に触れてしまいました。

 

それまでは、温和なご夫婦で打ち合わせも楽しく打ち合わせをさせてもらっていたお施主様が、その日を境にがらっと態度が変わってしまいました。

 

お施主様は、まず収納式ハシゴについて、2社のカタログを見比べ、運べる荷物の重量制限の違いなど性能の違いを事細かに調べ上げ、私どもに「取り替えて欲しい」と言ってきました。

 

その後も図面との違いや施工品質のクレームを何十項目もリストアップをして、対応して欲しいとの要望がありました。果ては、慰謝料も含めて〇〇〇万円(大手ハウスメーカーが値引をするようなとんでもない金額)値引して欲しいとまで。

 

これまで、これ程お施主様と問題になったことがなかったため、社内で対応チームを組んで何度も打ち合わせをしました。私も「謝り方」の技術という本を購入し対応の仕方を学び、何度も説明の仕方を練習しました。

 

最終的にお客様と打ち合わせをした回数はその後15回に及び、引き渡し後1年かかりようやく解決しました。

 

お客様の感情も回数を重ねるごとに穏やかになり、解決後は弊社が毎年開催していたクリスマス感謝祭にも参加して頂きました。

 

事の発端になった収納式はしごは・・・・

 

取り替えました。そして、お施主様が書いたリストアップのほとんどを対応しました。(ただし、慰謝料を含めて値引き○○〇万円との要望は、さすがにのめませんでした。)

 

この一件で費用と負担はすごくかかってしまいましたが、学ぶことも多くありました。

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